抜け毛が気になるとき、その原因が何なのか不安に思う方も多いのではないでしょうか。実は抜け毛の原因にはさまざまな要素が絡んでおり、生活習慣やヘアケアの方法が関係している場合も少なくありません。健康な髪でも抜け毛は起こるものですが、それが正常範囲内なのか、それとも異常なのかを見分けることが重要です。本記事では、抜け毛の原因、正常と異常の見分け方、そして適切な対処方法を詳しく解説します。
抜け毛の原因を知ることが大切
抜け毛を改善するためには、その原因を突き止めることが大切です。ヘアサイクルの乱れや生活習慣、洗髪の仕方など、抜け毛に影響を与える要因を一つひとつ見ていきましょう。
抜け毛の原因1:ヘアサイクルの乱れ
髪の毛は「成長期」「退行期」「休止期」というヘアサイクルを繰り返しています。通常、髪の90%は成長期にあり、2〜6年かけて太く長く成長します。しかし、何らかの原因でヘアサイクルが乱れると、成長期が短くなり、髪が十分に成長しないまま数ヶ月〜1年で抜けてしまいます。特にAGA(男性型脱毛症)はヘアサイクルの乱れを引き起こす代表的な疾患です。
- フィナステリドやデュタステリドなどのAGA治療薬でヘアサイクルを正常化させる。
抜け毛の原因2:栄養不足と偏った食生活
髪の主成分であるケラチンを生成するには、タンパク質や亜鉛、ビタミン、鉄分といった栄養素が不可欠です。加工食品やジャンクフード中心の食事は、栄養バランスが崩れる原因となり、髪の健康に悪影響を及ぼします。
- 肉や魚、大豆製品などの良質なタンパク質を積極的に摂取する。
- 野菜や果物を取り入れてビタミンやミネラルを補う。
抜け毛の原因3:睡眠不足やストレス
睡眠不足は成長ホルモンの分泌を妨げ、髪の成長を阻害します。また、ストレスは自律神経やホルモンバランスを乱し、抜け毛を引き起こす大きな要因となります。
- 1日7~8時間の睡眠を確保する。
- ストレスを軽減するために運動や趣味の時間を設ける。
抜け毛の原因4:間違ったヘアケア
爪を立ててゴシゴシ洗う、シャンプーを十分にすすがないなどのヘアケアの誤りは、頭皮にダメージを与え、抜け毛を促進します。
- ぬるま湯で予洗いを行い、汚れを落とす。
- 手のひらでシャンプーを泡立ててから髪につける。
- 指の腹で頭皮を優しくマッサージするように洗う。
- シャンプーが残らないように十分にすすぐ。
抜け毛の原因5:季節の変わり目による環境変化
春や秋は抜け毛が増える傾向があります。春はストレスや環境の変化、秋は夏の紫外線ダメージによる影響が主な要因です。人間はストレスを感じると自律神経のバランスが崩れ血流が低下してしまいます。その結果、頭皮に栄養が届きにくくなり抜け毛を引き起こすことがあります。
また、冬は頭皮が乾燥しやすく、頭皮が外部からのダメージを受けやすいので抜け毛が増える季節とも言われています。
抜け毛の原因5:加齢
加齢とともに、髪を作る毛母細胞の機能が低下して、抜け毛が増えるケースがあります。加齢による細胞の老化を早めるような不摂生な生活を避けることが重要です。
抜け毛の原因6:AGA(男性型脱毛症)などの病気
深刻な抜け毛の原因として、AGA(男性型脱毛症)や円形脱毛症が考えられます。AGAは、男性ホルモンのテストステロンが頭皮内の酵素5αリダクターゼと結びつき、ジヒドロテストステロン(DHT)に変換されることから始まります。このDHTが毛乳頭細胞内の男性ホルモン受容体に取り込まれ、毛母細胞に脱毛を促すシグナルを送ることで、髪の成長期が短縮されてしまいます。その結果、細く短い髪が増え、薄毛が進行するのです。
特に細くて短い抜け毛が目立つ場合は、AGAの可能性が高いといえます。一方、円形脱毛症では、大量の髪が一度に抜け落ちることがあります。円形脱毛症と聞くと、硬貨大の脱毛斑ができるタイプを想像する方が多いかもしれませんが、実際には頭髪全体や体毛が抜けるケースもあります。短期間で大量の抜け毛が確認された場合、頭髪だけでなく全身の毛が抜ける可能性があるため、早急な対応が必要です。
正常と異常の抜け毛を見分けるポイント
1日に抜ける髪の本数や毛根の状態を確認することで、抜け毛が正常か異常かを判断することが可能です。
正常な抜け毛
- 1日50~100本程度の抜け毛は問題なし。
- 毛根が太くて丸みを帯びている。
異常な抜け毛
- 1日に100本以上の髪が抜ける。
- 毛根が細く弱々しい、またはギザギザしている。
抜け毛の具体的な対策方法
抜け毛の対策方法1:栄養バランスの取れた食事
髪の成長に必要なタンパク質や亜鉛、ビタミンを含む食事を意識しましょう。
抜け毛の対策方法2:正しいシャンプーとドライヤーの使い方
シャンプー後は自然乾燥ではなく、ドライヤーで髪を乾かすのが基本です。ただし、ドライヤーを頭皮に近づけすぎないよう注意しましょう。
抜け毛の対策方法3:頭皮マッサージ
頭皮の血行を促進するために、指の腹を使って優しくマッサージを行います。特に入浴中に行うと効果的です。
抜け毛の対策方法4:医療機関での治療
AGA(男性型脱毛症)や円形脱毛症などの病気が原因の場合は、医師による治療が必要です。AGA治療薬やメソセラピーなど、症状に合わせた治療法を提案してもらいましょう。
抜け毛が多いと感じたら医師に相談を
抜け毛がAGAや円形脱毛症などの病気による場合、その原因を適切に治療することで改善が期待できます。これらの抜け毛は病気が関係しているため、医療機関での専門的な治療が必要です。以下に、医療機関で行われる主な治療方法を紹介します。
AGA(男性型脱毛症)の治療
AGAの治療には、ジヒドロテストステロン(DHT)の生成を抑えるフィナステリドやデュタステリドなどの成分を含む内服薬や、発毛を促進するミノキシジルを含む外用薬が用いられます。これらの薬剤を使用することで、AGAの進行を抑える効果が期待できます。
円形脱毛症の治療
円形脱毛症には、確実に治るとされる治療法はまだ存在していませんが、治療を受けることで症状が改善するケースもあります。まずは医療機関を受診し、適切な治療法を検討することが重要です。
脂漏性皮膚炎の治療
脂漏性皮膚炎の治療では、原因となるマラセチア菌の増殖を抑える抗真菌薬や、炎症を鎮める薬が使用されます。これらの治療は頭皮の健康を取り戻し、症状を改善するために効果的です。
抜け毛治療の注意点
これらの病気以外にも、抜け毛の原因となる頭髪の疾患は多岐にわたります。自己判断で市販薬を使用すると症状が悪化する恐れがあるため、専門の医師による診断と治療が不可欠です。
抜け毛が多い原因と対処法のまとめ
抜け毛は生活習慣やヘアケアの方法を見直すことで改善できるケースが多くあります。しかし、AGA(男性型脱毛症)や病気が原因の場合は、放置すると症状が進行する恐れがあるため、早めに専門医に相談しましょう。健康な髪を維持するためには、日々のケアが重要です。あなたの抜け毛が正常なのか異常なのかを見極め、適切な対策を取り入れていきましょう。
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